投下するスレ2A 01






Saizenの一件から三ヶ月余りが経とうとしていた頃
JEBは熱狂の渦に包まれていた。

scissor'sの主催するJEB最大規模のイベント
SPSLシリーズの第九弾SPSL'6thが公開されたのである。
出演者達はJEBのみならず世界中から称賛を浴びた。


興奮冷めあらぬ町の中、彼らはSPSL喫茶に集っていた。

「ほんとに無事成功してよかったです…
皆さんありがとうございますっ」
はさみが出演者やその隣人を招き成功記念パーティーを開いていたのである。

計算の元にはSaizenの件に関わったもの達が集まっていた。
「あれだけの事件の後だけあって流石に疲れたな…」
計算が口を開く。
「僕マジで感動しました!
ペン回しってやっぱ最高だ…」
そんなことをとろが言う。
でもやっぱりayatoriさんとも一緒にやりたかったなぁと内心思っていた。
ayatoriさんの傷は予想以上に深く、
完璧に実力を発揮したパフォーマンスはまだできないのだ。

「ayatori、怪我は大丈夫なのか?
すまないな…お前が出れないっていうのに俺がでて…」
「僕のことは気にしないでくださいSaizenさん
素晴らしい旋転でしたよ。」

ayatoriさんはSaizenさんを許してるようだけれど、やっぱり僕はまだ煮え切らない。
でもまぁ反省はしているみたいだし、気にしない気にしない。

「RYOも、大丈夫なのか?」
「ああ、気にするな。」
まったく、みんなお人好しだなぁ。

「とろ君…ちょっといいかな?」
そんなとき、不意にayatoriさんに話しかけられた。
「は、はい。」

「少し話があるんだ
いいかな?」
「大丈夫ですっ」

なんだろう、ayatoriさんが僕に話って。

「ちょっとここで待っててくれる?」
ayatoriは一度人混みに消えると一人の女性を連れて戻ってきた。

「姫さんっ!
相変わらずすごい旋転でした!
〆の部分なんて―…」
とろの話を遮ってayshが言う。
「ありがとう
でもそんなことよりも、話があるの
ayatori?」
「これを見てくれるかな」
ayatoriが一本のペンを取り出す。
「何ですかこれ?」
そのペンは焼け爛れ、黒ずみ
最早どのようなペンであったかは判別できない状態であった。

「このペンが、
どんなペンなのか調べて欲しいんだ。」
とろはすぐに答える
「わかりました」
そして眉間にしわを寄せ、聞いた。

「でも…どうして?」

ayshが少し間を置いて答える。
「…気にしないでちょうだい。」
突き放すような口調。
とろは刹那にayshの表情から
これ以上は踏み入れてはいけないことを悟った。

「こういう細かい調査はとろくんが得意だと思ってね
あとこのことは口外しないでくれよ。」





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