投下するスレ2 12

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「…誰?」

そんな声が聞こえた。
初めてのCV出演となる、俺がステージに上がったのを見て、だ。

まあ、当然だろう。俺の顔を知っている人はいないだろうから。

だが、正直って出鼻を挫かれた感がしたのも事実だった。
分かっていても、「誰?」といわれるのはちょっとキツい。

「…エイヒイチ?」

それを受け、はさみさんが、スクリーンに名前を映してくれたようだ。
そして、正しく読んでもらえない様子である。

会場の雰囲気が、若干変わったのを感じた。
少し落ち着いた曲になったので、余計それを感じる。

だが、仕方ない。
曲に丁寧に合わせて、流れを失わないように…。

落ち着かなくては。
自分に出来ることを、やらなくては。

観衆に俺のことを初めてみる人ばかりなのだから、
初めてのCV出演となる今日は、とにかく悪い印象を残さないように。


ペンを回し始めてそれなりに経っている。
長くやっていることによって、旋転に安定感が生まれる。

だから、落ち着いてやれば、ミスもなく終われる。


残念ながら、観客の反応は、芳しくない。

でも、しかたない。

次の人にバトンを渡すまで。
俺の身分にあった、俺の旋転を―。

このとき。
俺は、ペンを回している最中としては、異常なほどあれこれと考えていた。
そんな考え過ぎている状態が、旋転の結果として現れた。


始動からゆっくりとしたコンボを繰り出していて、
手を伏せてシャドウをしようとした、その時だった。


「あっ…」

ミスった。


ペンが、指から離れて落ちていく。


一瞬頭が真っ白になったが、慌てて手首を返して引き戻す。
スピナーは、ペンを落とした時のために、旋転中はペンを引き戻す魔法をつねにかけている。
だから大事に至る訳ではないが、当然ペンを落としたのは周りから見ていて分かる。

スピナーが、人前でペンを落とすことはほとんどない。
見られたら、かなり恥ずかしい。

そして、俺は、恥ずかしさ以上に、「まずい」という焦りを感じた。
変な汗が出る。
これは、まずい…。



「90ー!」

そこで、声が聞こえた。

「しゃきっとしなさーい!」

リアさんである。

「90?」

「あだ名よ」

隣のkUzuさんに聞かれて、リアさんがそう答える。

俺は、心配をかけてしまっているようだ。

音楽の節目に、ペンを一度キャッチして、
もう1度仕切りなおすように、ペンを弾く。


…なんとか、流れを変えないと。

ここまでの普通のパスから一転して、風車を連発し、
インフィニティ系の旋転をやってみる。

ん。
なんとなく、周りの雰囲気がちょっと変わった気がした。
インフィニティ系は確かに苦手じゃないし、前よりはいいのかもしれない。

苦手じゃない、んだけど。
指先を用いるこのデリケートな技は、自分の場合難しいものだとミスが多くなる、という感覚もあった。

…簡単な風車だけでは、すぐ飽きられる。
だから、このスタイルでもう少し続けるには、複雑な動きも混ぜて行く必要がある。

けど…さっきようなミスを、2度は出来ない。

俺は、インフィニティは早めに切り上げて、オーソドックスなスタイルに戻すことを選択した。

少し、残念そうな雰囲気を感じた。

ここに立って分かったことがある。
観客からステージを見るとき以上に、ステージから観客がよく見える、ということだ。
見えるというより感じられる、というか。
毎秒毎秒変わる会場の空気というか、俺に対する反応が、凄くよく分かる。

だから、ここまでの人たちと比べて、自分に若干失望している空気を、感じずにはいられず。

それがなんだか痛かった。


「90ー」

そんな中、kUzuさんの声が聞こえた。

「…90くんがんばれー」

これは、Mizmさんかな。
視線は手元から外せないから、たぶんだけど。

なんで90なんだろう…EiH1の方がいいのに…。

「キューちゃーん!」

な、何っ?

思わず反応して、声のした方を見てしまった。
Pespさんがにやにやしている。

「頑張れキューちゃん!」

「キューちゃんー!」

なんか流行り出してしまった。
Pespさんの影響力、恐るべし、というか。

しかし、キューちゃん、って…。

ちょっとかわいすぎる呼び方に、複雑な気分になる。

だが、そんな、気に食わない呼び方であっても。
声援というのは、不思議な力を持っていたようで。

その声援に応えたいと、そんな気持ちが芽生えた。


うぬぼれかもしれないけど、これはもっと良い俺の旋転を期待してるんだろう。
そんな声を無下にするのは、気が進まない。
もっと良い旋転をしたい。

無難にまとめきる、っていうのは、なんか違う気がした。
それじゃ、この声援に応えることにはならないと思った。

でも、それで、大丈夫なのか。
ミスったり、受けなかったりしたら、どうする?

…他の人は、どうだった?
俺の前に回していた人は、どうだったのか。

raimo、Mizmさん、NIKooさん。
皆、その旋転は、表情は―。

気づけば、結論が出る前に、指の動きを変化させていた。


繰り出すのは、インフィニティ。
それも、さっき出したのとは、違うインフィニティ系だ。

複雑な風車も中に練りこんで。
さらに、風車一辺倒にはせず、他の技も練りこんで、更に癖のある旋転を紡いでいく。

難易度・複雑さも大事だが。
風車を含めたコンボの神髄は、そこじゃなくて、
その動き・スピード感だ、と俺は思う。

微妙に不規則で、難解な動きを、音楽のリズムに無理やり合わせる。
それでなお、滑らかさを維持―できているかどうかは分からないけど。
とにかく、やれるだけやってみる。


「いいぞーキューちゃーん」

むず痒くて、かつ嬉しいそんな声が、耳にいくつも聞こえる。

さらに、今度は一転、速いパス。

楽じゃない。
だが、指はなんとか動いてくれる。


気合いを入れたからって、良い旋転が出来る訳ではないけど。

自分なりの気合いのこもった旋転を、思いっきり繰り出すことは、悪い気分じゃなかった。



「90くーん、そろそろー」

「…あ」

はさみさんの声を受けて、そろそろ持ち時間を使いきったことに気づく。
提出用のものをやらないと。

…10秒ちょっとか。
レパートリーから、自信のある技を拾っていっても、十分稼げる時間、だよな。


ペンをキャッチして、少し間をおいて、再びペンを弾く。


パスのうち、得意でスピーディーに繰り出せる流れを出す。

奇抜さ・難易度の両面を稼げる、4軸のコンバクを中に加えて。

その後、シャドウ系を連打して、あっさり目に、〆る―。


うん。まぁ、いいだろう、これで。
同時に、安心感に包まれる。
これで、俺の番は終わりだ。

生まれた魔力を、はさみさんに渡す。
前の人がやっていたように、魔力を適当にまとめてはさみさんの方に投げ込む。
それをしっかり拾って、はさみさんが手元で練りこんでいく。

どうやってるんだろうなぁ…あれ。
機会があったら、編集もしてみたいな。

…さて。


「…ん」

舞台を降りようと横を向くと、Makinがステージ上に居た。
俺の次は、Makinのようだ。

微笑をたたえながら、左手をあげるMakin。
少し戸惑いながら、パシン、とハイタッチをした。

舞台を降りる。

耳には、他のスピナーに比べれば決して大きくはないが、確かにあった声援が残っていた。


「お疲れ。楽しそうだったな」

戻るなり、kUzuさんからそんな言葉をかけられた。

「…楽しそう?」

「ああ。後半は、ずっとほおが緩んでたぜ」

「え、マジですか?
 うわー…キモい…」

俺の反応に、kUzuさんが笑う。

「いや、悪いことじゃないから、いいじゃねーか。
 俺もやる気出してかないと駄目だな」

そう言ってkUzuさんがステージを見る。
Makinの爽快な旋転が繰り広げられている。

Makinも楽しそうである。
俺も、ああいう表情だったんだろう。

あんな表情は、小難しいことを考えてる表情じゃない。
観客を楽しませるためには、たぶん、自分が楽しんでなきゃ駄目だ。

だから、やりたいようにやってしまえ、と思って。
そしたら、本当に、楽しかった。

…Makinに関しては一概にそうはいえないかもしれないけど。
この前、そして今日と、いっつもニコニコ笑ってるからな。

でも、やっぱりMakinも、あの場所を楽しんでるんだろうな。きっと。

Makinのペンは美しい残像を残して、滑らかに回っている。
提出用に入っても、それは変わらなかった。

舞台横では、次の出番として構えるkUzuさんが、はさみさんと話している。
何やらはさみさんが、首を縦に振っている。

「どうやら解禁するみたいね」

その様子を同じく見ていたリアさんが、意味ありげに言った。

「はい?」

「こっからが見ものだから、楽しみにしてるといいよ」

どういうことだろうか。

Makinの出番が終わり、巻き起こる拍手の中、kUzuさんがペンを動かし始める。

「うおっ」

そこで、思わず、言葉が出てしまった。

回しだすのと同時に、kUzuさんの頭上には小さな黄色い閃光が走る。
kUzuさんの操る、雷、か?

「…いや」

違う。見た目はほとんど同じだけど、雷のような、光を出しているだけだ。

「パフォーマンス…」

「そ。kUzuのは凄いから、よーく見ときなさい」

kUzuさんの凄まじい旋転に並行して。
ステージ上では、黄色い閃光が鮮やかに乱舞している。
鮮やかでかつ綺麗で、目を奪われる。

それに、不規則なように見える動きだけど、音楽に合わせているのが分かる。

その後ろのスクリーンに映る旋転も勿論見事だ。
両方とも、凄いクオリティである。

にしても…。

「解禁、ってことは」

「うん、以降はみんな何かしらやるでしょうね。
 ネタバレすると、キューちゃんはそんな余裕ないだろうから、今日はやめにしよーって話してたのよね。
 キューちゃんの順番が終わったし、退屈してきた人もいるみたいだから、kUzuが解禁したんだろうけど」

「…」

ここでも気を使わせてたのか。なんか泣きたくなってきた。

「楽しめることが増えるんだから、いいじゃない。気にすること無いわよ」

それはそうかもしれないけど。
このkUzuさんのパフォーマンスは、確かに見ていて見事だし。

残りの人は、Pespさんに、outsiderさん、そしてリアさん。
この人たちが何を見せてくれるか、楽しみだ。








「ここか?」

「ああ」

そんな会話が聞こえてくる。

と言っても、魔力を使って増幅させた音声を聞いているのであって、話し手との位置は遠い。
自分の存在が、気づかれないくらいの距離は、開いている。


旅からの帰り道。怪しい3人組のスピナー
を見つけたtoroは、尾行を続けていた。



大通りから数本南にある細い道の傍ら。
3人が目の前にしている建物は、一見普通の民家だ。
建てられてまだそう日が経っていない感じがするが、風景にしっかり溶け込んでいる。

3人は中に入っていく。
どうしよーかなー。

なんとなく怪しい、というだけで家の中まで探る、というのは気が引ける気がする。

だからといって、ここで帰るのも、気が進まないなー。
CVを我慢してこうして来た訳だし。

特に意味もなく、3人が入った家を見ていると。
気づいた。

「…」

すぐさまペンを構えて、魔力を練り、家に向かわせる。

toroの魔法は、そこにある存在を、確かに感知した。

「防壁…」

壁に、魔法がかけられている。

強力なものではないが、代わりになかなか繊細に出来ている。
攻撃への対策ではなく、盗聴などへの対策だろう。

そして、今回に関しては、それが仇となったようだ。

普通の家なら、魔力での盗聴を警戒する必要なんかない。
中で、何か悪いことをしているというのは、簡単に想像できる。

それに、確かによく編みこまれているけれど、破れない防壁ではない。

何をやっているのかは知らないけど、しっかり暴かせてもらおうかな。


緩急を意識しながら、小技を駆使してペンを回す。

魔力を丁寧に紡いで、防壁の魔力を透かすようにして、中へと送る。

繊細な作業になるが、大丈夫。
今は少しスタイルを変えたが、それでも細かい技はどちらかと言えば、得意だ。

次第に防壁を突破していく。

そろそろ、中の音声が聞こえてくるはず…。

「なっ」

突然、何かが焼き切れるような音が聞こえた、気がした。
魔力を、強引に引き戻す。

「…二重」

単純な防壁の裏に、それを抜けようとする魔力を感知する防壁が仕掛けられていた。

ギリギリで退いて、完全には作動しなかったけど…。
中に居る人間は、気づいただろうか。

身を隠しながら、様子を窺う。

すぐ後に、さっき中に入っていった男のうち1人が、扉を開けて外に出てきた。
ペンを片手に、周りをうかがっている。

やはり、バレたようだ。

出てきた男が、人を探るための魔法を出したのが分かった。

「…」

辺りにめぐらされる、魔力の糸。
それを、1つ1つ見極めて、魔力で刺激しないように逸らす。

探知系の魔力に対し、こうして魔力で隠ぺいするのは難しい。
相手が探知を始めたら、範囲外へ逃げるのが常套手段だ。

だが、この程度の相手なら、やり過ごすのも不可能ではない。
なら、この場に止まり続けて…。


数分後。
「気のせいか」、というような口の動きを見せたあと、男は中に戻っていった。

…なんとか、やり過ごせたようだ。

完全には2つ目の防壁に引っかからなかったから、
相手も「念のための確認」程度で、あっさり引き下がってくれたようだ。

「さて、と」

右手ではペンがゆっくりと回り続けている。

出てきた男が、探知のために魔力を辺りに張り巡らせる間。
男の魔力は防壁にも幾度となく触れていた。
扉を半開きにして、防壁に触れながらの状態だったので、当然である。

「どんな会話が聞こえてくるかな」

toroは、そのとき、男の魔力に紛れさせて、盗聴のための魔法を潜り込ませることに、成功していた。


「…どうだ?」

「いや、誰もいなかった。たぶん気のせいだろう」

「そうか…だが、念には念を入れたほうがいいだろう。
 そうあの方もおっしゃっていた。
 それに、もう大体説明は済んだし、後は当日でいいだろう」

「そうだな。じゃあ、今日はもう解散にしよう」

「ああ」

…ちぇっ。
もう話は終わってしまったようだ。

だが、今日は悪事の本番、ということではないらしい。
当日、か。一体いつ、何をする気なのだろうか。

「木曜だよな」

「ああ。時間に遅れるなよ」

「分かった」

…勝手にしゃべってくれた。ありがたい。

木曜、ね。
時間は分からないが、おそらく集まる場所はここだろう。
場所が分かっているなら、魔法を使うなり誰か置いとくなり、方法はある。

「…coco_Aさんに報告するか」

toroは魔法を解くと、王宮の方に向かって歩き出した。






ため息が出た。

良い意味で。



ステージ上では、最後を務めるoutsiderさんの旋転が行われている。
その洗練された旋転は、見事というしかない。

パフォーマンスをしてくれなかったのは残念だが、その回しだけで十分観客を惹きつけている。


kUzuさんの次に現れたPespさんは、
回しもそこそこにトークショーみたいにしゃべりまくってやりたい放題で。

その次のリアさんは、火花を散らして、花火のような出し物をしてくれた。

最後のoutsiderさんのステージも、旋転だけのステージで始まった訳だから、
最後も旋転だけ、というのもいいかもしれない。
終演へと向かう、しっとりとした音楽と、outsiderさんの旋転はとてもよく合っているし。

滑らかなパスから、静かに見守る観客をさらに静かにさせるほど、完成された1212が撃たれた。
少し間をおいた後、拍手が広場を包んだ。


「…凄い」

思わずそんな言葉が口から出ていた。
outsiderさんももちろんだし、それ以外のメンバー全員に向けた言葉だった。

スクリーンにはエンドロールが流れていき。

そして、曲が終わった。

拍手しようと構える。
が、なかなか拍手は鳴りはじめない。

…あれ?

なんだろう、と油断した瞬間。

「…わっ」

ステージ上に上がっていたはさみさんが、すっと手を広げる。

同時に、水色がかった光の球が放たれた。

光球は、5mくらいの高さまで上った後、
砕け散って、小さな結晶のようなものとなった。

結晶は、キラキラと輝きながら、大気へと消えて行った。

ここで、ようやく大きな拍手がなり始めた。

ステージ上でははさみさんが頭を下げて、拍手にこたえる。

「これは…?」

「…んーとね。
 普通のCVならもう少し時間掛けてからやるけれど、 今回は即席CVだから。
 はさみがさくっと編集を済ませて、今、あげちゃったのよ」

「…あげる?」

「ん?」

聞き返すも、リアさんはその意味が理解できないような顔をしている。

「リア姉、CVの魔力の使い道、たぶんそいつ分かってないぜ」

raimoが言う。

「…キューちゃんはそういうとこあるわね」

「キューちゃんはやめて下さいよ…」

「はいはい。
 CVで、スピナーから集めた魔力を編集者が練って1つにする、ってのは分かるわよね?」

「はい」

「それ、どうすると思ってたの?」

「…えーと、疑問には思ってましたけど、聞くタイミングがなかったというか」

「…お前、なんか駄目だな」

raimoに言われる。
相変わらず手厳しい。

「仕方ないわね…。 
 簡単に言うなら、魔力は使わないで、そのままばらまいてるのよ」

「…ばらまく?」

「そ。わざと何にも使わないで、消えるのを待つ訳なんだけど。
 魔力が、何かに使ったり変換したりしないと消えてしまうのは、なぜだか知ってる?」

そんなこと、考えたこともない。

「ま、そうよね。聞いといて悪いんだけど、正確にはまだ分かってないわ。
 最近だと、サーバーという地下深くにある場所に送られているらしい、等と言われてるんだけど。
 とにかく、こうして質の高い魔力を世界に還すことが必要だとされてるのよね。
 隠語みたいな感じで、サーバーにあげる、みたいな言い方をしたりするけど」

「…世界に、還す…。
 単なる祭りだと思ってましたが、意外に深い理由があったんですね」

「こっちが、本来のCVの意味よ。
 それを楽しめるように色々改良されて、今みたいなことになってるけど」

「なるほど。
 でも、正直、今の話はCVに出演する前に聞いときたかったですね」

「…気にするな」

「あ…どうも、outsiderさん」

outsiderさんに初めて話しかけられた。

「良い回しをしていたと思う」

「ああ、そうだな。
 期待以上だったぜ」

「どうもありがとうございます」

「…新人は、歓迎する必要があるな」

outsiderさんの言葉に対し、リアさんが肘でつつきながらからかうような口調で言う。

「お、さいだー、90を利用する気?」

「…否定はしないが」

「さいだーさんは無類の酒好きだからな。
 いくら飲んでも全く酔ってるようには見えないんだけど」

kUzuさんが説明してくれる。

「そうですねー、良い感じのメンバーが揃ってますし、何か食べにでも行きましょうか?」

「賛成」

「さんせーい!」

はさみさんの提案は、満場一致で可決される。
…正確に言うと、NIKooさんは乗り気じゃなさそうで、周りに強引に連れて行かれたんだけど。


かくいう俺も、祭りの後のハイテンションな空気に押されて、喜んでついて行ったのだった。









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